キャリアアップ助成金の利用のメリット
・デメリットを記載しています。
助成金は国の施策や政策を実現するために支給されます。
キャリアアップ助成金も厚生労働省の助成金の1つで会社が支払っている労働保険料の一部を財源にしています。
また、支給を受けるためにはいくつかの要件をクリアーする必要があります。
(1)よく利用されるケース
この助成金は、大きく分けると以下の2つからなります。
①正社員化支援 ②処遇改善支援
ここでは、多くの会社が利用されている
①正社員化支援の中の「正社員化コース」に絞って概略をお伝えさせて頂きます。
(2)多くの会社が利用している「正社員化コース」
「正社員化コース」とは、
有期雇用労働者(期間の定めのある労働契約を締結する労働者)など、一般的なイメージとしては、
非正規雇用の労働者を正規雇用の労働者へ転換した場合となります。
※2023年11月29日以降に正社員化した場合に拡充しました。
(3)中小企業への支給額
①有期から正規 (1人あたり) 80万円
②無期から正規 (1人あたり) 40万円
取り入れている会社のメリット
■利用しやすい
この助成金は、有期契約社員、パートタイマー、アルバイトなどの非正規雇用の方を正規雇用や無期雇用に転換すると支給されます。
制度もわかりやすく、能力ある非正規雇用の人材を正社員にしたいと考える中小企業での利用のニーズがあります。
■モチベーションアップに役立つ
正社員への登用制度が会社にあるとない場合では、非正規雇用の方のモチベーションが異なります。
会社の人材を見出すことができるため、会社にとっても従業員の方にとってもやる気がでる仕組みの 1つになります。
■業種に関係なく使える
キャリアアップ助成金は、最初から正社員しか採用しないという会社を除いては、ほとんどの業種で利用できる制度です。
これまでも、製造業・小売業・IT業・介護業・歯科医院・不動産業・建設業・クリニック・商社などあ業種に関係なく利用できることから、利用しやすい助成金の1つです。
どんな助成金にもデメリットがあります。
デメリットをご確認して頂き、早めに準備して頂ければと思います。
デメリットは、以下の3つです。
■年度が変わると助成金の廃止や変更が頻繁にある
令和5年度で言えば、
昨年度までは有期雇用から正規雇用への転換に対して
1人当たり57万が支給されていましたが年度の途中(11月29日以降)から、80万円に拡充
されました。しかし、支給対象期間が6か月から12か月になりました。
このように、突然に変更されることがあります。そのため、変更点に注意が必要となります。
■国の予算がなくなると年の途中でも申請できない
助成金の中には、会社のニーズや受給額がマッチして早い者勝ちとなる助成金がいくつかあります。
そのような場合、早く助成金の情報を仕入れ申請の準備をしなければ、予算を使い切ってしまい年の
途中であっても申請できないケースがあります。
■導入した制度や仕組みは簡単に廃止できない
助成金を申請するために導入した制度や仕組みは、会社の都合によって簡単に廃止できません。
そのため、申請する前に一度導入する制度や仕組みを続けられるかどうか?
検討してみるといいかもしれません。
以上が助成金のデメリットとですが、メリットとデメリットを比較し、自社に適していれば申請の準備をされてみることが良いかと思います。